Sound Production

我々が生きている現実世界において人間に特有の心の働きとして1、言葉(象徴界)と2、イメージ(想像界)があります。芸術表現では詩や小説と絵画、映像作品に対応しています。音楽表現はこの二つを合体していると言われますがファミリーラボの見解では、音楽が象徴連鎖やロジックが分析的にも成り立っているわけではないので発話の要素はあっても詩や小説の様な言語とは異なります。さらにイメージを想起する働きはありますが直接的な映像表現ができるのではないので深く関連していると言えても想像界の独自の働きとは言えないと思います。言葉が生まれる前からあった表現ですが、言葉に進化したというわけでもありません。このことから音楽は常々、言葉や絵画、映像よりも影響力が小さいと印象づけられている様に思えます。しかし世界中に残っている古代伝説や宗教経典や石碑に刻まれた音楽に関する記述は巨石を切り出して空中を移動するなど驚くべき逸話に満ちており、またひも理論など最先端の現代科学理論が示唆することも世界の成り立ちの根幹に関係する最も重要な何かであることを解明し始めている様相です。音楽と音について様々な枠組みや理論、積層されてきた謂わゆる楽曲的な記憶、これら我々が音楽として理解していることと自然界、宇宙空間、さらには生命の様々な心的活動で起きている音のフィールドとが大きくずれている事、我々が音楽と感じる表現が世界の成り立ちからするとごくごく狭い、ある部分でしかないというのが明らかになりつつあると考えています。ファミリーラボの音楽制作へのアプローチは個人的な、極めて特異で個人的な経験から始めたものですが、様々な自然の生命、動植物と音を通じて影響し合う経験と、一部、近代化学的な実証実験を行いながら人間が可能とする音楽や音の表現の地平線を未来へと広げる事に貢献したいと考えています。

生命の状態をアピールする音

鶯谷の鳴き声は誰でも知っていると思っていてもその声が千差万別であることを人間はわからなくても鶯谷どうしはその声の響きで交流しあっています。人間どうしの会話では説明言語として何を話したかが重要となっていてどの様な状態で声を出したか、すなはち声が響くことで内臓始め身体および心の状態を伝えていることはほとんど意識されません。鶯谷の鳴き方は皆同じでも体が振動して声を出すことで肉体の成熟度や健康状態がそのまま響きに現れています。鳥どうしがつがいとなる決め手はお互いの身体的状態(心象状態もあるかも知れません)のバランスが最適であることです。人間どうしも声の響きも身体各部位が想像以上に大きな「音」を共振して響きとして現れています。耳の鼓膜をとうして知覚される音は鼓膜という身体的パーツの性能だけに着目しており、しかも現在の計測機器の計測領域の限界に限られいたって部分的である所以です。したがってサウンドと言われる響きの本質的な要素は表現者の心身の状態が楽器の奏でる響きに共振して、いわば楽器の一部として独自のサウンドを生み出すことだと考えます。表現者がどのような生き方をしているかが大事である事、健康な心身状態が生命にとってはより心地よいサウンドの必要条件なのです。

音楽理論の限界

今に伝わるほとんどの楽器は木部からなる本体と弦振動を組み合わせています。したがって弦振動が楽器や、演奏者の身体と共振共鳴して空間に音を発しているので木部や身体の複雑な共鳴状態が個別に独自な響きを生み出すことを可能としています。より響く音は心身への到達度も効率が良いので心地よい良い調べと感じます。結論から先に言うと音階やハーモニーは個々の楽器(身体を含む)によって違うのです。例えばギターの響きについて言えば、その祖先である中東のウードはより複雑で多彩な音階とハーモニー構造を持っています。ギターはウードの簡略化された楽器だと言えます。ピアノについて言えば、電気的に音を増幅する装置がなかった時代に大きな音を出すことを主眼に大きな構造をもつ楽器となりましたが音楽的な響きについては構造上の響きの特性、特に白鍵と黒鍵の物理的な響きの違いに制約を受けています。ピアノといういたって特異な構造を持つ楽器が生み出す響きを元に作曲の多くがなされ、音楽理論の基礎が作られている事は、そのまま現代蔓延している音楽のほとんどがピアノの音響構造の枠内に制約を受けていることを表しています。

音のエネルギーは耳ではなく皮膚を通じて全身が聞いている事実

音波は空気中よりも水中の方が伝達力が強く、音のエネルギーは皮膚を通して我々の身体を構成する血液やリンパ、などを通じて吸収(共振、共鳴)されています。鼓膜に伝わるエネルギーはほとんど数パーセント以下であると思われます。例えばCymaticsが有効となるのも身体の70%程度が水分からなっていることを基礎としています。固有周波数の研究なども踏まえて心身にとってのエネルギーの質を問うという視点からすれば音を発生している振動体が何なのかが重要であり、樹脂やプラスティックなどの単純な人工物か、複雑な生命と同じ有機物が振動しているのかでは機械によって計測された周波数特性が同じでもエネルギーの質としては全く異なるものです。生命体への大きな影響力がある音を鼓膜といういたって部分的な一器官の性能にとらわれず自然や宇宙のエネルギーとして捉える事が必要です。ファミリーラボでは音は空間に新しい生命エネルギーを発生させるソフトとハードの合体した装置であると認識して新しいサウンドの追求を行なっています。

ピタゴラス音階の示唆すること

世界には古代の音楽に関して理論書や指南書が多く残されています。顕著な例はピタゴラス音階にまつわることです。そこでは音楽に関する最も重要な認識の違いは音楽は幾何学や天文学に最も深く関連しており鼓膜の可聴範囲で認知される聞こえる音という枠組みがないことです。音階は太陽系の惑星間の位置関係、自然の生命の成長が描くパターン、正多角形の比率を表現するものでいたって視覚的であり、美しい音階は美しい幾何学として表現されていました。音が巨石を加工する技術であった超古代のテクノロジーの秘密とも関係していると思われます。さらに現代の音階との違いの分かりやすい事項は、オクターブの違いは全く違う音として扱われていることです。西洋音楽理論ではオクターブ違っても「ド」は「ド」ですが1オクターブ上に行った音はあたかも別の惑星に移動したような空間的な移動を表していました。音楽表現は広い意味で空間的なフィールドを変容させる働きがあることを伝えています。

空間を変容する音

世界中、古代から聖地として知られる地は日常では感じられない空気感や清さ、高い密度の様な体感をすることが多いです。日本は各地に神社がありその様な神聖空間が身近にあります。お祓いや禊などに昔から言葉や音が伴い、日常ではない聖なる空間を呼び込む文化が現代にまで伝わっていることは幸せなことです。言霊文化と言われる日本の知恵もピタゴラスが書き残している事と対応していると思われます。ファミリーラボのアプローチで言うと表現者の存在している軸をどこに設定するかによって異なった空間のフィールドを音楽で現出させることが出来ると考えています。すなはち人間の精神的、文化的な活動において想像界、イマジネーションの領域では自由に様々な空間を想起、立ち現れを起こす事が出来るので、目の前の現実世界から古代からの神々の神話的世界、さらには彼方の宇宙空間まで空間の軸を移動する事が可能です。軸の移動は瞬時に行えますがそれはあたかもホログラフィーの幻影のような状態で確かさという経験になっていないと思われますが、不思議な事にそれを音楽表現として物理的に時間軸を伴って展開していく行為によって実体性を帯びてくる、目の前の現実空間と異空間が重ね合わさってくると認識しています。この空間の重ね合わせの作用を聖なる空間、ないし、人間の社会活動や文化歴史的影響が及ぶ地球の成層圏下の領域から自由な空間を呼び込む事でいわゆる空間の浄化、結界などの創出も可能となると考えています。

音響機器の性能

現代社会で音や音楽表現に関して大きな要素となっているのはテクノロジーの変容によってほとんどすべての音楽がデジタル技術、インターネット、電気機器を通じてもたらされている事です。様々な音源に世界中どこにいても瞬時にアクセス出来るという革新的な状況にある反面、音のクオリティについては上記で指摘した様な音の多機能性、多様性を発揮する高度な理論、技術、モノ作りが欠如しているのが実情です。ファミリーラボでは音響機器は音響機器専用の部品を開発し組み合わせるべきであるとの基本姿勢から音楽の無尽蔵に開かれている働きを享受可能とするハードウエアーの開発に取り組んでいます。歴史的な名機として知られる様々な録音機器を始め、この世にないものはオリジナルで特注制作して理想的な音楽制作システムを構築しています。

1:特別な音楽制作システム「シンクラビア」

マイケルジャクソンの最盛期の音楽制作システムとして知られるスーパーコンピューター「シンクラビア」フルシステムを2台常時稼働させて音楽制作を行なっています。もともとアメリカの大学の研究機関が理想のデジタルオーディオ制作システムとして開発したもので、全てのパーツ、ボードが音楽用に特注制作された理想のシステムとして現在でも世界最高を誇るクオリティです。ロスアンジェルスの専門エンジニアとオンラインでつないでオペレーションしています。

2:ウエスタンエレクトリック社の録音機材を使用

アメリカの国家プロジェクトとして開発された音響機器ウエスタンエレクトリック社のイコライザー付きマイクアンプ、1124cコンプレッサー、81ラインアンプ、53cマイクロフォン、22Aミキサーなどを再生して日常的に活用しています。いづれも真空管テクノロジーの到達点として世界最高峰の録音機材です。

3:オリジナルの最高峰オーディオケーブル

全ての信号ラインには特注したPCOCCないしPCTripleCのケーブル、信号線、電源ケーブルを使用しています。

4:独自開発の録音機材

マイクロフォン、ラインアンプ、モニターパワーアンプなど録音の中核となる機材はウエスタンエレクトリック社の機材と組み合わせて使用するオリジナル機材からなっています

ファミリーラボの音楽的なアプローチ

この様な演奏経験に基づいた基本的な認識をもとに現在制作している音楽ソフトは下記の特徴を備えています。
 
1:演奏者の身体までを楽器として捉え楽器のハード上の性能を特別なチューニングを施しているともに健康な生き方の実践が良い響き、サウンドの基礎であるとの観点から日常生活の質の向上、工夫を大事にしています。
 
2:自然界の生命がそうである様に、個々の楽器には個別のピッチと音階、ハーモニーがあり複数の楽器がそれぞれ独立した響きを奏でても、個々の楽器が本来の響きを表現していれば、どれか一つの楽器や特定のピッチ、調性に合わせる必要はなく自由である事。
 
3:同様に身体の様々な躍動(リンパ、血液など)が多様性の集まりである様に楽曲のテンポやビートは一つに合わせる必要はなく複数のグルーブが共存可能であり、むしろ心身にとっては自然な生命の躍動である事。このことからファミリーラボの多くの音源はオーバーダビングをせずに一人の演奏者が手足4本それぞれ独立した楽器を同時にかつ即興的に複数のリズムや調性で演奏しています。
 
4:ただし、これらが成立できる条件としては表現者が想定している空間の軸が共有されているかどうかがサウンドとして成立するかランダムの組み合わせでしかないかの基準となる事。この意味で音楽表現はいたって精神的な働きであることがわかりますし高次元なエネルギーの高いサウンドはより広く自由な空間の立ち現れを実現することの基礎となります。
 
5:そして様々な空間を表現するためにドラムやパーカッション系、ギターやベースなど弦楽器、民族楽器、笛、鍵盤楽器(ピアノやシンセサイザー、エレクトリックピアノ)などなど多数の楽器を必要に応じて選択して演奏できる様に修練しています。
 
6:生活空間に高次の空間の重ね合わせを実現する音楽表現は、ストレスや外敵、環境悪化などに対応しようとするものですが楽曲の始まりと終わりではs生命に取って空間がより良い状態になっているプロセスと考えています。すなわちあるテーマ的なメロディーやサウンドから始まっても、既存の多くの楽曲の様に同じパターンや枠組みの循環ではなく出発点とは違うエネルギー状態に到達する流れを楽曲と捉えています。

サウンドウォーター

ファミリーラボが重点的に研究している水の機能性と音楽表現の融合から生成される独自のお水です。オリジナルの水製造装置に特別な音響システムを組み合わせて様々な検証実験をしています。
 
水の機能性の研究が世界各国でも本格化して来ました。特にフランスのパスツール研究所が発表した水が遺伝子情報を伝達し、RNA遺伝子を再生できるという実証実験は大きな反響を得ています。人間の心身も物理化学反応で解析できる現象と、神経系統を通じて情報系の働きで作用する現象があります。音楽が音楽として認識されている理由は単なる物理的な音の周波数というだけではなくて楽曲として楽しい、悲しいなどなど様々な心象反応を起こす情報であるからです。遺伝情報もコピーする水の機能が音楽情報をコピーする働きがあることは想像できると思います。このことからあるテーマを持った音楽を水や水と親和性のある液体にオーディオ機器を通じて伝えることで、その後は音楽を再生しなくとも水を通じてその影響力を再現する事が可能になるという仮説で研究し始めました。

具体的には、例えば植物の成長を高める水を生成しようとすれば、成長のメカニズムの理解から始めて現代科学の言語、成長を促す文化的なイメージ言語、視覚的表現などを統合してある音楽表現、言語として演奏します(楽曲化)。それをマインドボディレゾネーター(高性能振動スピーカーを搭載した独自に開発した音響システム)で再生し情報を写します。出来た機能水(サウンドウォーター)を様々な使用法で活用して効果を検証します。
比較実験するにあたっては基本となる水の状態を同じにする必要がある事から特注オールステンレス製の水製造装置を導入、設置して逆浸透膜方式の還元水を生成した上でミネラル成分などを定常化し、サウンドウォーターの原水として使用しています。ファミリーラボの製品にはサウンドウォーターの技術が随所に応用されています。

サウンドウォーターで生成した陶器による体温変化と遠赤外線の観察

サウンド無しの飲料水
サウンドウオーター
ソマチッドの状態変化の顕微鏡画像

サウンドウォーターで生成した陶器による植物の発芽実験。丹波の黒豆が水耕栽培で発芽成功

霧生とし子サントリーホールコンサートでサウンドウォーター技術で生成した陶器で音質チューニング。

FamilyLabo特注のステンレス製水製造装置

演奏者、吉目木邦彦について

9歳よりエレクトリックベースをはじめ日本のJAZZ界の重鎮ジョージ大塚
マラカイボのベーシストとしてデビュー。山口真文グループのレギュラーを
経て霧生トシ子、ケニーカークランドなど多数のミュージシャンと共演。
その後、独自の音楽追求からギター、ドラム、ピアノ、篠笛、二胡など様々
な楽器を演奏。特にギターの原型となった中東のウドは楽器の原点の一つ
として重点的に研究。新しい演奏技法を開発し2016年のカタール国際音楽
フェスティバルのウド部門でトロフィーを受賞。3枚組CD「伊勢」2021年Uniwaveから発売。1961年,東京生まれ。東京大学科学史科学哲学科卒。